「レセプト・オンライン請求義務化」に医師たちが立ち上がる

厚生労働省令による医療機関の診療報酬明細書(レセプト)のオンライン請求義務化を巡り、医師1000人が国を提訴! 

「診療報酬明細書(レセプト)」処理の電子申請の義務化は、営業の自由を保障した憲法に違反するなどとして、神奈川県や東京都、埼玉県などの医師計約1000人が国を相手取り、電子申請義務の不存在確認と、1人あたり100万円の慰謝料を求める訴訟を2009年1月21日(水)、横浜地裁に提訴する。

原告団によると、厚生労働省令改正で2011年度から原則義務化される電子申請の合憲性を争う裁判は全国で初めてという。

原告団によると、レセプト作成専用のパソコンを導入するには300万円前後が必要とされ、経営が圧迫されている医師も多いという。

訴訟では「これまで書類で申請できた手続きを電子申請に一本化することは営業の自由を侵害する」などと主張する方針。

原告側弁護団の小賀坂徹弁護士は、
「高額の初期費用負担に耐えられず廃業せざるを得ない医療機関が出て、地域医療の荒廃に拍車をかける」としている。

厚労省は2006年4月の省令で、原則2011年3月末までにオンライン請求に切り替えるよう医療機関に義務付けた。
中小診療所については最長2013年3月まで先送りしている。
訴訟では、精神的苦痛を受けたとして1人110万円の賠償も併せて求める。

厚労省保険システム高度化推進室は、
「代行機関による一括請求などで負担は軽減される。手続きの軽減などメリットも多いので、理解を得たい」としている。

(2009年01月15日(木) 22時10分 読売新聞)

ニュース記事


自分の主治医も、義務化になったら閉院するしかないと言っているし、他人事と済ましていられない。


全国保険医団体連合会(保団連)では、「診療報酬オンライン請求義務化に関するアンケート」を実施し、医科1万1069人、歯科3010人から回答があった。

このうち、青森、岩手、埼玉、東京、京都、大阪、兵庫、奈良、長崎、鹿児島の1都2府7県をピックアップし、60歳以上の開業医の意向などを調べた。

その結果、60歳以上の開業医2699人の27.7%に当たる747人が、オンライン請求が義務化されれば、開業医を「辞める」と答えていることが分かった。
その理由としては、「導入に見合う収入がない」「操作に対応できない」などが多数に上っている。

保団連では、「厚労省の2006年の『医師・歯科医師・薬剤師調査』によると、60歳以上の開業医は約3万6000人で、オンライン請求でその約1万人が廃業する計算になる」と批判している。

同アンケートでは、オンライン請求義務化について、回答者全体(全年齢)でみると、医科で12.2%(1336人)、歯科で7.2%(212人)が「辞める」と回答している。

現在、診療報酬の請求については、
1.手書きで紙レセプトを提出
2.レセプト作成用コンピュータ(レセコン)で紙レセプトを作成・提出
3.レセコンでデータ作成し、CD-Rやフロッピーディスクなどの記録メディアで提出
4.レセコンで作成し、データ送信用パソコンからISDN回線やインターネット回線を用いてオンラインで電子的に請求
の4つの方法がある。

これらについて厚労省は、2008年4月から4番目のオンライン請求を段階的に施行。
2011年度以降は原則、オンライン請求を義務化し、1~3の方法は廃止する。

【 2008年12月02日(火) 10時06分 】

ニュース記事

↓2008年12月18日(木)に厚生労働省と交渉した内容はこちら
http://hodanren.doc-net.or.jp/news/unndou-news/081228kourou.html


自分の主治医も60歳以上だし、義務化されれば間違いなく廃業するだろう。

そうすると、別の新しい主治医を探すしかないわけだが、近所にある個人医院は、みんなある程度の歳の医師が開業しているわけで、なかなか難しい・・・。

60歳を過ぎた自分の親にパソコン操作を教えたこともあるが、ほんの数行の文章を入力するのに1時間以上かかっていた。

主治医も、レセプト請求は手書きで紙のレセプトを出している。

そもそもカルテ(診療録)も手書きだし、窓口事務も手計算でやっている。

レセコンや電子カルテシステムを導入している医療機関でも、レセプトは紙に印刷して提出しているところが多い。

提出前のレセプトチェックは、パソコンの画面上で1枚1枚隅から隅まで見るよりも、印刷して同じ項目を何回かチェックすることによって書き間違いなどのケアレスミスを発見して訂正することができる。
第一、そのほうが早いし、見落としが非常に少なくなる。

それに、オンラインだけにすると、レセプトデータの流出事故なんてのも起こり得ることでしょう。

レセプトには個人情報が満載(氏名・住所・電話番号・病歴など)なので、そんなことになったら大変だ。

電子データになれば10000件のデータでも、コピーするのにそんなに時間がかからない。
紙だと100枚コピーするのも大変だし、第一、そんなにコピーしていたら、絶対見つかる。
医療機関と社会保険支払基金や国保団体連合会の間に代行会社が入れば、レセプトデータが流出した時、責任の所在があいまいになってしまうこともあるかもしれません。


昨年だか一昨年だか、ある病院がレセプトを宅配便に委託して社会保険支払基金に発送したところ、どこかに行方不明になってしまった事件がありました。
レセプトは、各医療機関が社会保険支払基金や国保団体連合会に渡して、そこで診療内容に矛盾がないか審査を受け、その後、各健康保険組合に発送されます。
各健康保険組合は、さらに細かい審査をして、合格して初めて医療機関にお金が支払われます。
生年月日の間違いや名前の書き間違えなどで差し戻されることもあるため、正確な金額は支払いがあって初めて決定となります。
時には、診察日の数日前に退職した人が受診していた、なんてこともあります。
この場合は、支払はありません。
レセプトそのものは単なる紙ですが、それは患者さんの個人データでもあり、医療機関にとっては1ヶ月分の仕事の成果です。
つまり、金券と同じようなものですね。
この行方不明になったレセプトが見つかったという話しは聞かないので、その医療機関はその月の分は無収入になったかもしれません。


それに、導入費用だってばかにならない。
最低限のシステムでも300万円かかるし、毎月保守管理会社に管理料を十数万円の支払いが発生する。

国会の決定で、2年に1回は必ず大規模な診療報酬や薬価の改定がある。
小規模なものは、半年か年1回で変わることが多い。
この診療報酬が、医療機関の収入となります。

でも、あまり使わないものの診療報酬は上がって、よく使うものはどんどん下がる。
よって、医療機関の収入はどんどん減る。
だもんで、投薬を多くしたり各種検査をたくさんしようとするが、これも規制がかけられている。
身近に感じるのは、健康診断の項目だろうか。
これも検査項目がどんどん減っている。
そして、診療報酬や薬価の改定があると、新たにその分の追加ソフトを購入しなければなりません。

また、手書きレセプトのみの医師でも、自宅では家族などがパソコンを使っている場合もありますが、レセコンシステムはWindowsやMacintoshにはインストールできません。
日本医師会はレセコンシステムを、ORCA(オルカ)プロジェクトという日医標準レセプトソフトを推奨している。
このシステムはオープンソースに近い形態で無償公開されているが、このORCAシステムはLinux PCと抱き合わせており、切り離すことはできません。
そしてこのシステムが最低300万円かかる。
細々とやっている個人医院にとっては、簡単にねん出できる金額ではありません。
だもんで、医療機関によっては閉院するところも出てきます。

せめて、数十万円くらいで、しかも Windows PCやMacintosh PC にインストールできるようなソフトであれば、家族の協力でなんとか維持できるところもあるだろうにと思う。


ところで、レセプトオンライン義務化はだれにメリットがあるのでしょうか。
・国や保険者(保険組合)は、負担する医療費の給付を減らせる。
・標準的医療と保険外負担による混合診療の導入により、民間保険の市場が広がる。
・通信回線や機器が必要になるため、NTTやPCメーカーなどのIT企業には非常に大きな市場。
など、国や関連会社にとっては非常にメリットがあります。

では、医療機関や患者にとってはどうでしょうか。
・診療情報や検診情報が営利目的で使われる可能性。
・国が給付する医療費が減って、患者側の自己負担が増える可能性。
・さらには、身近な医療機関が閉院することにより、必要な医療が受けられなくなる可能性。

これらオンラインで集められた診療情報は、厚生労働省が全国規模で収集・分析して、けがや病気ごとに健康保険が使える「医療の標準化」の推進を目標にしている。
これは、アメリカ型健康保険と同じで、はみ出た分は全額自己負担か、民間の健康保険会社を利用してくださいということ。
現在は民間の健康保険会社はありませんが、いづれ規制緩和で出てくることでしょう。
このアメリカ型健康保険制度は、マイケル・ムーア監督の映画「シッコ」が詳しいので、ぜひ観てください。

そして、オンラインでの請求のみになると、アメリカで利用されているような社会保障カード(仮称)導入がやりやすくなることでしょう。
つまり、国民1人ひとりに付けられた統一的な番号をもとに、健康保険証、介護保険証、年金手帳などの機能を1枚のカードにまとめたもので、ICチップが埋め込まれる。
レセプトオンライン請求された医療情報や特定健診結果データの蓄積をはじめ、介護・年金などの情報が一元管理される恐れがあります。
↓全国保険医団体連合会のページ
http://hodanren.doc-net.or.jp/news/teigen/081211card.html
http://hodanren.doc-net.or.jp/news/tyousa/081201online.html


この提訴については、関西地区のテレビ、大阪毎日放送の「ヴォイス」という番組が取材に訪れており、2009年1月19日(月)の18時16分から放送されるようです。
視聴可能な範囲にお住まいの方は、ぜひご覧ください。
自分は視聴できない地域に住んでいるので、残念ながら視聴することはできません。
↓「VOICE(ヴォイス)」
http://www.mbs.jp/voice/

そして、2009年1月21日(水)に提訴後、記者会見するようなので、おそらく夕方以降のニュースで報道されることでしょう。

もしかしたら、そう遠くない将来、日本もアメリカと同じような健康保険制度になるのかも・・・

いや、いつの日にか住基カードと社会保障カード(仮称)をセットにして、1つのカードだけで全て管理できるシステムが出来上がるかもしれませんね。
でもって、現金もなくして電子マネーのみにして、これもカードに組み込めば完璧です。
衣食住の全て、ゆりかごから墓場までの一切が国に把握され管理されるかもしれません。
さすがに、これは考えすぎかもしれませんが、一つの可能性としてはあり得るかも。。。


シッコ コレクターズ・エディション
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レセプト総点検マニュアル (2008年版)
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診療点数早見表 (2008年4月版)
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