『万能鑑定士Qの事件簿』

今回は、最近読んだ本の紹介です。

松岡圭祐の最新シリーズ「万能鑑定士Qの事件簿」、通称<Qシリーズ>の登場です。
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松岡圭祐と言えば、「千里眼」シリーズの岬美由紀が有名ですが、岬美由紀とはちょっと違う、親近感とヒューマニズムに溢れたニューヒロイン、凜田莉子(りんだ・りこ)が活躍します。

主人公の凜田莉子(りんだ・りこ)は、沖縄県の波照間島(はてるまじま)出身の23歳の女性で、「万能鑑定士Q」という店を構えるオーナーです。
波照間島は、八重山諸島にある日本最南端の有人島で、人口542人(2009年3月31日現在)です。

物語は、都内各所で目撃された「力士シール」をめぐる謎から始まります。

「力士シール」とは、白地に墨で描かれた和風の顔絵のシールのことで、べた塗りの七三分けの髪に眉の下には横線のような目、たっぷりと脂肪がついた二重あごが特徴の中年男が、無表情にこちらを向いているという図柄になっています。
何年か前に銀座で確認されたのを皮切りに、少しずつ範囲が広がり、至るところで見かけるほどに増殖。
シールは大抵、大通りから一本入った路地のガードレール、電柱、公衆電話、あるいは商店のシャッターや外壁などに貼られている。
(このシールは現実に都内各所に張られたものを題材にしています。)

↓実際の力士シールのスライドショー  04分26秒


この「力士シール」の背景を探るべく、奔走しているのが雑誌記者の小笠原悠斗(おがさわら・ゆうと)である。
彼は、角川書店発行の週刊誌『週刊角川』に所属する編集者だ。
もし、この謎が解ければ、スクープとして『週刊角川』の発行部数が格段に伸びるだろうと考えてのことだ。

「部数につながる新事実をつかんでこい」と編集長にハッパをかけられ、力士シールの貼られたガードレールの波板までサンプルとして入手した小笠原だが、名のあるプロの鑑定家には軒並み鑑定を断られ、スクープを狙う計画は早々に暗礁に乗り上げる。
引き受けてくれそうな鑑定家を探すため、必死にインターネット検索していた矢先、ヒットしたのが、会社のほど近くにある凜田莉子の「万能鑑定士Q」という店だった。

小笠原が一縷(いちる)の望みをかけて訪ねたものの、その店の鑑定家は彼女一人だけだった。
すでに店内にいた先客も、それを聞いてとまどう。
先客が持ち込んだのは一枚の西洋画。
「即日鑑定、万能という言葉をうのみにしたほうが馬鹿だった」と毒づきながら、しぶしぶ女性に見せた絵画はすでに、採取した有機物質に特殊なレーザー光線を当てて材料を突き止め、制作年代などを調べる「スペクトル・フォト・メタ」という鑑定技法をパスしたものだった。
しかし、すぐさま莉子は別のアプローチからその真贋を見分けてしまうのだ。

小笠原が持ち込んだ力士シールの貼られたガードレールの実物を見て、2人の描き手がいることはわかったが、それ以上のことは、肉眼ではどちらが先に描いたのかさえも判らない。
そこで、科学鑑定をするために知人の大学准教授に依頼する。

小笠原は、博識な彼女の知識に驚きつつ、どんな少女時代だったのかと想いをはせる。
読者には、時系列を前後させながら、少女時代がどんなだったか明かしていく。
それによれば、学業成績は最低で、5段階通信簿ではオール1だった。
それが、いかにして博識になったのか、その経緯も描かれていく。

第1巻では、「力士シール」の謎を中心に描かれていきますが、第2巻では、なんと巧妙で精巧に出来た偽札が出回ります。

その偽札は、同じ番号のものが2枚セットで各テレビ局や出版社の受付にいつの間にか置かれていた。
彼女もその偽札を目にしますが、肉眼や触感では判別できず、科学的鑑定でも判別できないという結果になります。
もちろん、警察の科学捜査研究所(科捜研)でも同様の結果で、『2枚は本物』という結果に。
しかし、とちらか1枚は偽札のはずなのだが。

もっとも単純なものは、コピー機でカラーコピーするというものだが、これはすぐに見破られてしまう。
偽札を造るのにコストがかかるので、通常はそれほど出回らずに済んでいる。

だが、本物と見分けのつかない偽札がかなりの枚数が日本中に流通しており、全体の約2割が偽札と推察されるというニュースが日本中を駆け回り、日本は超インフレになります。

通貨として信用が置けなくなった日本円の代わりに、米ドルでの取引きが主流になっていきます。
例えば、うなぎのひと口串は本来は120円くらいのものが、日本円で4,500円で米ドルでは1ドル。
大根煮100グラムは5,200円で米ドルでは1ドル20セント、ひじき煮100グラムは6,000円で1ドル50セントなどとなり、ドルではごく一般的な価格で売られている。

偽札のかすかな手掛かりを見つけた凜田莉子が、東京・羽田空港から実家近くの沖縄の石垣島に行くのに、なんと312,000円もの金額(通常は30,000円前後)となってしまっていた。

東京に帰った彼女は別の手がかりを見つけ、次第に真相に近づいていく。

偽札犯はいったい誰なのか。どうやって偽造したのか。 驚きの真相が明らかになる。
そして、第1巻で謎だった「力士シール」の真相は?


実際にあった「力士シール」の謎という出来事を取り入れつつ、作者独自の世界を繰り広げる技は見事です。
そして、小笠原悠斗が所属する出版社の周囲や編集部内の様子は、実際のそれとかなり酷似しているようですよ。(笑)

続きが気になった方は、ぜひ読んでみてください


万能鑑定士Qの事件簿 第1巻
万能鑑定士Qの事件簿 第1巻

万能鑑定士Qの事件簿 第2巻
万能鑑定士Qの事件簿 第2巻



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